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日本でキャンピングカーを借りる:はじめての方へのガイド

はじめてのオーバーランド・キャンピングカー旅のガイドです。オーバーランドとは何か、出発前に私たちがどんな準備をお手伝いするのか、どこで寝るのか、そして最初の数日が実際どんなものなのかをお伝えします。
カテゴリー
ガイド
公開日
2026年10月
読了時間
18分
川辺でオーニングを広げた2台のOverlandキャンピングカー

自然の中ではじめて夜を過ごした経験は、正直に言って、たいていひどいものです。

まずはテントの場合。誰かのガレージから借りてきたものか、スーパーの棚やネット通販で慌てて買ったもの。何でもできると謳いながら、値段はほとんどタダ同然のテントです。寝袋も同じ週に、同じ謳い文句で注文したもの。地面は岩の上にぬかるみが乗っているだけで、それに気づくのは真夜中ごろ、やっと横になったときです。午前3時に降り出した雨は止まず、しかも外にとどまってもくれません。最初は縫い目のあたりがじわりと湿り、やがて逃げ場のない寝袋の上に、ぽたり、ぽたりと落ちてきます。翌朝8時には旅は終わっています。何もかもが濡れていて、ひとつの結論が静かに下されています。「自分には向いていない」。

もうひとつは、賢い選択をしたつもりの人がはまるパターンです。予約ページの項目をすべて満たした、箱型のキャンピングカー。組み立て式のベッド、ミニキッチン、冷蔵庫、何もかも揃っています。ところが実際にその中で暮らしてみると、キッチンは施設につながないと使えません。2人がすれ違うこともできません。必要なものは、いつも先に必要だったものの奥にあります。ベッドは毎晩クッションを並べて組み立て、毎晩クッションの継ぎ目にゆっくり沈み込んで、疲れの取れないまま目を覚まします。1日雨が降れば、全員がカプセルホテルの一区画ほどの空間で11時間を過ごすことになります。

そして、誰も教えてくれない部分があります。山の景色や川のきらめきを見に来たはずなのに、それを小さな四角い窓越しに眺めている。閉じ込められ、世界はどこか別の場所、つまり外で動いている。ガラス一枚を隔てて、すべてが平たく、くぐもって見える。わざわざ遠くまで運転してきた、その中に身を置きたかったはずのものから、切り離されているのです。何かが壊れるわけではありません。ただ、一度も心地よく感じられないまま、3日目あたりで残りの日数を数えている自分に気づきます。

どちらも同じ結論に行き着きます。そしてその結論は、ほぼ必ず間違っています。どちらの旅も、道具が合っていなかったこと、そしてうまくいくように誰も準備を整えてくれなかったことしか証明していません。同じ人に、ちゃんとしたベッドと、屋外で使えるキッチンと、自分の居場所を見つけられる広さと、周りの景色をゆっくり味わう静かな時間を用意してみてください。そこに、すべてがどう噛み合うのかを教えてくれる人がいれば、評価はまるで変わります。たいていは2日目の朝あたりに。

その差こそが、Overland Campers Japanが存在する理由のすべてです。私たちは、たまたまキャンプ道具をおまけにつけている車両レンタル会社ではありません。日本の自然の中で体験をお届けする会社であり、車両はそれをお届けするための手段です。

はじめての方へ。短くお答えします。 私たちのキャンピングカーを借りて運転するには、母国の運転免許証、1949年ジュネーブ条約に基づく国際運転免許証(一部の国の免許証の場合は、代わりに公式の日本語翻訳文)、パスポート、そして運転する方ご本人名義のクレジットカードが必要です。キャンプの経験も、ご自身の道具も、日本語も必要ありません。それ以外のものは、すべて車両に揃っています。

01

オーバーランドとは?

この言葉は私たちが考え出したものではありませんし、特にこだわりがあるわけでもありません。オーストラリアやアフリカ、南北アメリカを横断する人たちが、今回のあなたよりずっと本格的な目的で、何十年も前から使ってきた言葉です。それでも、この旅を言い表すのに、これ以上ぴったりの言葉はありません。

オーバーランドとは、人里離れた場所を目指す、自分の力で完結する冒険旅行です。思い出になるのは目的地ではなく、道のりそのもの。ベッドもキッチンも冷蔵庫も電源も車両が運んでくれるので、いつも事前に予約しておく必要はありません。午後4時に、明日の朝どこで目を覚ましたいかを決めてもいいし、着くまでに2回気が変わってもかまいません。

春の森を抜ける山道を走るLand Rover Defenderのキャンピングカーを上から見たところ

そこが本当の違いです。その反対にあるのが、私たちが「チェックリスト型の旅」と呼んでいるもの。決まった2つの地点の間を移動し、それぞれの端に予約済みのアクティビティがある旅です。その間の時間はただの移動で、誰かが立てた計画をこなしているだけ。今いる場所に向ける注意は、ほとんど残りません。

オーバーランドは、そうである必要はありません。ルートが欲しければたどればいいし、はじめての方の多くはそうします。ルートづくりは私たちがお手伝いします。でも、どこかにいなければならない決まりは、何もありません。

海より川のほうがよければ、川に残ればいい。街より谷のほうがよければ、谷に残ればいい。どうせ雲に隠れている展望台より小さな町のほうがよければ、午後はその町で過ごせばいい。天気が動けば、一緒に動けばいいのです。

日本では、これがとりわけうまくいきます。その理由は知っておく価値があります。日本の道路網は広く、見事に設計され、峠を越える1車線の山道に至るまで、多くの国が目指しもしない水準で整備されています。そしてその道は、まず日本人旅行者のために育まれてきた国内旅行の文化につながっています。道の駅、温泉街、ご当地の名物、頂上に駐車場ときれいなトイレがある展望台。どれも外国人観光客のために用意されたものではありません。自分たちの土地を誇りに思う国が、自分たちのためにつくったものです。

そのため長いあいだ、その多くは観光客には事実上閉ざされていました。規則があったからではなく、たどり着く手段がなかったからです。電車も時刻表もそこへは行きません。キャンピングカーなら行けます。拠点で私たちがお渡ししているのは、実はそれなのです。何十年もかけて、自分たちのために静かに美しいものを築いてきた国への鍵。それが今、あなたのペースで、あなたのやり方で開かれています。

あとは、そこから自然とついてきます。澄んだ空気の中、峠をつづら折りに登っていく山道。建てたというより描いたような村。木造の家々、真ん中を流れる川、背後の谷にかかる霧。アニメ映画のために作られた架空の場所だと思っていたような風景です。ほとんど車の通らない海岸線の道。ほぼどこからでも行けるコンビニと、たいていの場所から行ける温泉。本当に野生的に感じられるのに、実際にはほとんどすべてが整っている。だからこそ日本は、はじめてこの旅をするのに、世界でも指折りの国なのです。

そして、この旅の仕方にほぼ特有の楽しみがあります。お腹が空いて、思っていたより遠くまで走ってしまい、ほかに何もない道に、明かりのついた看板がひとつだけ見える。止まります。ほかにどうしようもありませんから。中には6席のカウンターがあって、同じ料理を30年作り続けてきた店主がひとり、誰かが来てくれたことを見るからに喜んでいます。それが旅でいちばんの食事になるのです。こうしたもてなしは、日本から消えたわけではありません。都会にはないだけで、時刻表ではたどり着けないのです。

02

なぜベッドが屋根の上に?

見た目のためとか、ちょっとした仕掛けだと思われることがあります。どちらでもありません。ルーフテントはオーバーランドの旅の根幹です。車両が行ける場所まで行き、なおかつその先で眠りたいと思える場所であり続けられるのは、ルーフテントがあるからです。

ルーフテントは、実用面の問題をいくつも解決してくれます。夏の夜、地面近くによどむ空気から離れ、風の通る高さまで持ち上げてくれます。濡れた地面やでこぼこの地面、つまりほとんどの地面から距離を置けます。目線より高い位置にいられるので、林の空き地や駐車場では得られないプライバシーがあります。数分で開き、ほぼ同じくらいの速さで閉じられるので、天気が崩れたときや、ただ先へ進みたいときに大きな違いになります。そして寝る場所が車内ではなく車両の上にあるので、車内はまるごとキッチンや収納、道具のために使えます。1日に2回、寝室と居間を切り替える必要はありません。

本格的な旅人がルーフテントを選ぶのは、こうした理由からです。でも、あなたの記憶に残るのは、そこではありません。

ルーフテントに寝転び、開いたドアから川を眺めているところ

窓のジッパーを開ければ、閉じ込められている感じはありません。景色にすっぽり包まれます。暖かく、乾いていて、地面から安全に離れ、谷や川や空が目の前に、遮るものなく広がっています。すぐ頭上のキャンバスに当たる雨音。木々を抜ける風。日が落ちるにつれて下がっていく気温。自分だけの小さな繭であり、同時に開け放たれた窓でもある。映画館で過ごす夜より、少しいいものです。ただしスクリーンは本物で、あなただけのものです。

それは、あのガラス一枚とは、まさに正反対です。

皆さんが驚かれるのはベッドです。カチッ、カチッ、押して、ときどき引く。それだけでテントが開き、ベッドはもう整っています。マットレスも寝具も、その朝あなたが残したままの位置に。組み立てるものも、膨らませるものも、整え直すものもありません。

昔ながらのコンパクトなキャンピングカーの多くが、寝る場所をどう扱っているかと比べてみてください。写真ではくつろげそうに見えます。でも実際は、このページの冒頭でお話しした、毎晩の組み立て直しです。ベンチのクッションと下に倒すテーブルは、寝るためではなく座るために作られています。

コンパクトな4×4がキャンピングカーとして成り立つのは、このルーフテントのおかげです。だからこそ、テントは節約していい場所ではありません。私たちは、世界中でいちばんよくできたものを、どこで作られていても取り寄せて取り付けています。そのどれも、掲載写真には写りません。写真では、どのルーフテントもだいたい同じに見えます。違いは手に触れたときにわかり、毎晩それを実感します。

03

日本でキャンピングカーを借りるのに必要なもの

ほとんどの方が思うより簡単です。正しい許可証を伴った有効な運転免許証、パスポート、運転する方ご本人名義のクレジットカード、そして運転する予定の方全員が受け渡しの場にいらっしゃること。

ほとんどの方にとって、許可証とは1949年ジュネーブ条約に基づく国際運転免許証のことです。出発前に母国で取得してください。日本国内では発行できません。一部の国の免許証は、国際運転免許証の代わりに公式の日本語翻訳文を使う、別の手続きになります。また、すべての国際運転免許証が日本で有効なわけではありません。

出発の前の週ではなく、早めに済ませておきたい唯一の手続きです。細かい点がとても大切なので、よくある質問のページで詳しくご説明しています。

特別な車両の免許も、キャンプの経験も、ご自身のキャンプ道具も、日本語の力も必要ありません。

04

ご予約の流れ

車両と日程を選んでお問い合わせいただければ、詳しいお見積もりをお送りします。お見積もりにご同意いただき、お支払いが確認できた時点でご予約が確定し、その期間の車両はあなたのものです。

時間、お支払い、保証金(デポジット)、ご返却まで、全体の流れはステップごとにご説明しています。ここでしっかりお話ししておきたいのは、車両を受け取る当日のことです。

05

対面での受け渡し:うまくいくための準備

車両を受け取る日は、この旅の中で、私たちがいちばん急ぎたくない部分です。

キャンピングカーとその仕組みを説明する動画を事前にお送りするので、機内で見て、ある程度慣れた状態で到着できます。そのうえで拠点でお会いし、一緒に確認していきます。目の前に車両を置き、週末に自分でもこのキャンピングカーを使っているスタッフが、30〜40分ほどかけて、ゆっくりご案内します。

川辺で、キャンピングカーのルーフテントを開いているところ

テントの開き方。キッチンの準備の仕方。電源の仕組み。何かがうまく動かないときにどうするか。どの峠が開いていて、どのキャンプ場がシーズンを終えて閉まっているか。今週の天気がどちらへ向かっていて、それを踏まえて私たちならどこへ向かうか。毎週変わるので、どこにも書かれていない、そんな情報です。

何でも聞いてください。旅全体の中で、質問にまったくコストがかからず、しかも答えがいちばん価値を持つのは、この時間だけです。たくさん質問する人ほど、いい1週間を過ごす傾向があります。

無料貸し出しの品を並べた棚もあります。双眼鏡、ヘアドライヤー、充電器、それに誰も予定していなかった午後のためのバドミントンセットとフリスビー。拠点には食べ物と飲み物もご用意しています。産地直送のA5ランク和牛から、開ける価値のある何本かのお酒まで。旅が始まる前に、スーパーで1時間使わずに済むように、というのが主な理由です。

最初の40分で、最初の2日間の多くを取り戻せます。雨の中で張り方を考えることになっていたはずのオーニング、手探りで使うことになっていたはずのバッテリーシステム、2時間かけて走ったのに閉まっていたはずのキャンプ場。その時間は、景色のいい場所で過ごしてほしいのです。

06

どこで寝るか

寝る場所は、旅のある区間と次の区間の間で体を休める場所であることもあれば、その日の目的そのものであることもあります。そばを流れる川や、頭上の空や、静けさのために選ぶベースキャンプ。どちらもありで、同じ旅の中で両方あることもよくあります。

きちんと計画することもできますし、はじめての方の多くはそうするべきです。

オートキャンプ場はわかりやすい選択肢で、全国に1,000か所をゆうに超えてあります。その多くが、湖畔、川沿いの谷、森の中の開けた場所など、本当に美しい場所にあります。事前に予約でき、2〜3か所押さえておくと、はじめての旅にしっかりした骨組みができます。春、秋、祝日は早めに予約しましょう。

山あいの谷の河原のキャンプで、オーニングを広げたDefenderのキャンピングカー

ほとんどの方が、その水準に本当に驚かれます。日本のオートキャンプ場は清潔で、よく整い、細やかに運営されていて、贅沢と言っていいほどのところも少なくありません。暖房便座、しっかりお湯の出るシャワー、敷地内の温泉や浴場、そして薪や氷、地元の農産物、夕食に手軽に作れるものを売る売店。

道の駅は、旅に柔軟性を与えてくれる選択肢です。全国に広がる道路沿いの休憩施設で、広い無料駐車場と24時間使えるきれいなトイレがあり、1泊だけ車内で眠ることは一般的に受け入れられています。1日が長引いたときや、予定が変わったときに便利です。マナーははっきりしています。泊まるのは1泊だけ。焚き火をしたり車外にキャンプを設営したりしないこと。そして、来たときとまったく同じ状態で場所を残すこと。

自然の中の駐車スポット、つまり川や海、山のそばの静かな場所は、多くの人が恋に落ちる選択肢です。たいていは慣れてきた3泊目あたりに。日本全国で、おおむね黙認されています。腰を落ち着ける前に、翻訳アプリで標識を確認し、こちらで言うところの「空気を読む」ことをしてください。その場所に違和感があるなら、実際にそうなのです。

今どの方法にするか決める必要はありませんし、もちろん行き当たりばったりにする必要もありません。受け渡しのときにすべてご説明しますし、私たちのルートのアイデアでは、地域ごとに、私たちが実際に泊まった場所をご紹介しています。ほとんどの方は、最初の2泊ほどを予約して、残りは空けておきます。

07

日本での運転は難しい?

想像よりずっと簡単で、ずっと気持ちのいいものです。

日本は左側通行です。すでに慣れている方もいれば、すぐに慣れる方もいるでしょう。道路は1車線の山道に至るまで、非常によく整備されています。高速道路は素晴らしく、英語の案内標識も多くあります。速度は低め。そして日本のドライバーは、概して忍耐強く礼儀正しく、訪れる人はいつもそのことを口にします。クラクションはほとんど鳴らず、攻撃的な運転もほとんどなく、必要なときには道を譲ってくれます。

桜の下の山道を走るLand Rover Defenderのキャンピングカー

どの車両にもApple CarPlayとAndroid Autoがあるので、ナビはご自身のスマートフォンで、ご自身の言語で使え、お気に入りのプレイリストも流せます。実際のところ、ほぼ母国と同じように運転できます。

高速料金のことは、私たちにお任せください。どのキャンピングカーにもETCカードが装着されているので、高速道路のゲートは近づくと開き、料金所でお金を数える必要はありません。ただ走るだけで、精算は最後に済ませます。長い1日に、考えることがひとつ減ります。

計画上の注意点はひとつだけです。富士山からの帰り道は、いつも地図が示すより時間がかかります。それを見込んでおけば、問題ではなく楽しみになります。

私たちのキャンピングカーは4×4です。急な道、濡れた道、砂利の林道で安心感が違い、冬に雪の影響を受ける峠でも同じです。ただし、それは道路を外れてよいという意味ではありません。私たちのキャンピングカーは整備された道路と通行が認められた道のために作られており、オフロード走行はレンタル約款で禁止されています。

08

持ってくるもの

服と免許証と歯ブラシ。そして、ちょっとした挑戦を楽しむ気持ち。もしかすると、一生ものの新しい趣味に出会うかもしれませんから。最後のひとつだけは私たちが用意できないもので、この旅からどれだけのものを持ち帰れるかを決めるのも、そこなのです。

それ以外は、すべて車両に揃っています。ルーフテントと季節に合わせた寝具、本物の包丁と料理に必要なものがすべて揃ったフルキッチン、専用のバッテリーシステムで動き、カメラやノートパソコンも充電できる冷蔵庫、テーブル、チェア、照明、オーニング。車両ページに載っているものは、到着したときに車両の中にあり、お見積もりの金額に含まれています。アップグレードのランクはなく、カウンターで「実は含まれていませんでした」という話になることもありません。基準はひとつだけだからです。装備内容の一覧はこちらでご覧いただけます。

オーニングの下で引き出され、明かりに照らされたキャンピングカーのキッチンの引き出し

そうできるのは、私たち自身がこの車両を使っているからです。その用途に最適な道具が日本で売られていなければ、輸入します。存在しなければ、作ります。

そうしてできあがったのは、チェックインする場所ではなく、手を動かして関わるためのキャンピングカーです。たまたま車輪がついたホテルの部屋ではなく、旅そのものの延長です。

09

最初の24時間

朝、車両を受け取ります。手には、歩いてくる途中で見つけたカフェのフラットホワイト。どちらの拠点も、考えたうえでその場所にあります。東京の拠点は祐天寺。都心にあり、渋谷から電車で6分、羽田から30分ほど。しかも都内の富士山側にあるので、街を横切ることなく、すぐに高速道路に乗れます。福岡の拠点は北の海岸沿いの福間。博多や空港に近く、すでに街から一歩出て、海岸線に入っています。

午前中のうちに街を抜けられます。東京から2〜3時間で、富士五湖、伊豆の海岸線、あるいは南アルプスの麓へ。福岡からは1時間で糸島の海岸に着きます。

景色がそれに値するので、おやつ休憩をとります。

午後の半ばになると、どこで寝るかを考え始めます。あるいは考えません。何週間も前にキャンプ場を予約していて、そこへ向かって走っているだけだから。どちらもいい旅の仕方で、はじめての方の多くは、最初の1〜2泊は賢く後者を選びます。いずれにしても、5時には車を停めています。ルーフテントを上げ、キッチンを引き出します。簡単なものを作るか、あるいは出発するときに拠点で手に入れたA5ランク和牛を焼きます。そういう旅になりそうな気がしたから。やがて暗くなります。日本の田舎の多くでは、それは本当の暗さを意味します。しばらくみんなが黙り込むほどの星空です。

雲海の上の日の出と、ルーフテントを広げたJimnyのキャンピングカー

朝、テントから降りて、マキネッタを火にかけ、前の晩に自分で選んだ景色を眺めながらコーヒーを分け合い、今朝は卵料理の気分かどうかを考えます。それから、その日をどうするか決めます。たいてい、どこかに温泉が入ってきます。

10

気が変わる余地を残しておく

この旅の本当の強みは、車両が可能にしてくれることにあります。どの日のどの時点でも、別の方向へ曲がれることです。

日本は、どの方向に向かってもそれに応えてくれます。どちらの拠点から北へ、南へ、東へ、西へ向かっても、探す価値のあるものにつながらない方角はありません。そしてそのほとんどは、誰かの「日本で見るべきもの」リストには載っていません。何年も経ってから話してもらえる旅は、ほとんどいつも、計画どおりに進まなかった旅です。最高の瞬間は、偶然のようにやってきます。名前が面白そうだったから選んだ道、たまたまお昼どきだったから立ち寄った町、特に理由もなく入っていった谷。

千葉の海岸にある鳥居へ歩いていく2人

それは運ではありません。好奇心が向かう先を持てるだけのゆとりが、予定にあるときに起きることです。だから、計画の詰め込みすぎには、はっきりした実際的な問題があります。5日間では北海道まで行って帰ってくるには足りませんし、やろうとすれば、日本をフロントガラス越しに見ることになります。ひとつの地域を選んで、それで十分としましょう。

そして、たどり着いた場所に、心から好奇心を持ってください。日本のどの県にも、誇りにしているものがあります。果物、魚、麺、焼き物、日本酒、ある特定のことをどこよりも上手にやるやり方。それについて聞いてみてください。道端の直売所で買って、立ったまま食べてください。まず関わってみれば、人々はどこへ行けばいいかをきちんと教えてくれます。聞かれるのが嬉しいのです。ついでに何か食べさせてくれる可能性も、けっこうあります。車両は思っている以上に助けになります。見に来る人がいるくらい目立つので、会話を始めるいちばん難しい部分を、さりげなく代わりにやってくれるのです。

好奇心旺盛な旅人でいることを、自分に許してください。最高の旅をして戻ってくる人は、例外なく、そういう人たちです。

11

その先にあるもの

このあとたいてい何が起きるのか、正直にお話ししておくべきでしょう。あまりによくあることなので、もう驚かなくなりました。

皆さん、日本を見るちょっと変わった方法として予約されます。それが2日目の朝あたりで、何かが変わります。車両がどう組み立てられているかに目が向き始めるのです。なぜ引き出しはこの高さにあるのか、なぜバッテリーはこの容量なのか、なぜテントは屋根の上にあるのか。旅の終わりには、自分なら何を作るか、どこで手に入れるかを尋ねるようになっています。

ルーフテントを開いたHiluxのキャンピングカーのそばで、焚き火を囲む仲間たち

そこが、私たちがいちばん好きな部分です。きちんと準備したはじめての旅は、いい休暇になるだけではありません。何年も繰り返したくなる旅の仕方を開いてくれることが多いのです。日本でも、母国でも。

免許証と、おおまかな方向と、それを変える心構えを持ってきてください。あとは私たちにお任せください。車両選びやはじめてのルートづくりのお手伝いが必要なら、気軽に声をかけてください。

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